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「ただし、外断熱マンションの良さや価値をもっと普及するためにも、コストダウンはこれからの課題になっていくことは確かです。
亀戸の物件でも、コストの安い湿式工法も検討しましたが、直接タイルが貼れるかどうかの検証が十分に出来なかったので今回は見送りました。
販売上、タイル張りのマンションという営業要望がまだありますからね」(野村氏)最後に、はじめて外断熱マンションを供給した立場から、なぜほかのデベロッパ−が手をつけないと考えるのかということをうかがいました。
「なぜなら、すごい手聞かかるから(笑)。
最初に時間と人をかけないと、できないのではないでしょうか?康和地所の方々も、すごく丁寧にやってらっしゃるなと感じました。
弊社も時間をかけて工期も取って造っていますが、それは会社として許されるからできるのです。
普通の採算重視だったら、工期を短くして金利負担を軽くし、それで売ってしまおう、となるわけです。
それをあえて今後のためを考えるかどうか、でしょう」(N氏)。
デベロッパ−のなかの担当者レベルでは、多くの方が外断熱をやってみたいという夢をもっているはずです。
ユーザーに本当に質の良いものを提供したいという、康和地所のN社長と同じような理想を個人的に持つ人は、業界のなかでも多いことでしょう。
そうした一人ひとりの力が結集すれば、日本のマンションも大きく変わっていくことになるに違いありません。
神戸・西日本ではじめての本格的外断熱マンション外断熱マンションは、マンション業界の一部を巻き込んで、一歩ずつ着実に日本でも広まりつつあります。
二00五年には神戸に西日本ではじめての本格的外断熱マンション「フアスタージユ西岡本サ−モス」が着工しました。
デベロッパ−の信和住宅販売株式会社社長の青山一氏は、康和地所の夏目社長が以前勤めていた大手デベロッパ−に勤務、夏目氏同様、退社して新しく会社をおこし、外断熱マンションの供給に取り組んだのです。
青山氏にもお話を聞けたので、ご紹介します。
青山氏は新卒で大手デベロッパ−に入社後、約二年で体をこわし、営業戦線から離脱することとなりました。
学生時代から体育会で心身を鍛えていたA氏でしたが、「とにかく売れ」という大手デベロッパ−の激務には通用しなかったのです。
その後、バブルがはじけるなか会社の状態は急変、信頼していた先輩・上司が次々と退社、自分の社内における将来像もまったく見えなくなりました。
もともと不動産業界の在り方に強く違和感を持っていた青山氏は独立してみずからその違和感を払拭したいと考え、七年間のサラリーマン生活を終え、生まれ育った神戸で会社を設立したのです。
「二00二年までの七年間で順調に売上を伸ばし、神戸方面での販売を推進することができました。
しかし需要の陰りが加速するなか、在来マンションのさまざまなクレームを解決しないまま供給し続けるマンション業界に疑問を感じ、悩むようになりました。
そんなときに外断熱のニュースに出会ったのです。
しかもN社長の康和地所が取り組んでおられると知り、当社もぜひ挑戦したいと考えたのがきっかけでした」(A社長)
大手デベロッパ−の先輩であるN氏とは、社内で面識があったそうです。
入社三年目ごろ、たまたまN氏と同期入社だった直属の上司が紹介してくれたのです。
「お会いしたのは一度だけでしたが、印象は鮮明に残っていました。
強引で倣慢な上司の多いなかで、その会社らしくない方でした。
優しさ、包容力、とにかく人間らしい上司の魅力を強く感じたのです。
東京の人は違うな、と感じたものでした。
外断熱に関して指導をいただくために連絡をとらせていただくようになった現在も、夏目社長には当時と変わらぬ魅力を感じています。
自分たちの人格形成と外断熱において、師と考えております」(A社長)。
こうして「最高の住空間・フアスタージユ」(FIRST+STAGEHFIRSTAGE)をコンセプトに、外断熱マンションのシリーズが神戸に出現したのです。
「地域性や土地が持つ個性を十二分に生かし、ユーザーの満足度を最大限に提供するように考えています。
また、立地条件によって仕様は多少変化させ、外観についてもシンプルでありながら高級感の感じられる提案を心がけています。
塔屋には、会社のロゴマ−クなどの余分なものを掲げていません。
物件を会社の広告塔としないで、あくまでも主役はユーザーと位置づけていきたいと考えています」(A社長)。
今後は、阪神エリアで年間五棟(一00から一二0戸)を目標値に、外断熱マンション分譲の普及に努めていく事業展開を考えているといいます。
綿半鋼機株式会社の前身は、一五九八年(慶長三年)に長野県飯田市で綿屋として創業以来、当主が「綿屋半三郎」を襲名し、現在の社名「綿半」の由来になっています。
事業内容は、各種建設工事、屋根工事、外装リフォーム工事、鉄骨工事、建具・床・内装工事などの建物外皮から内装まで取り扱っている企業です。
社長のN氏は、次に紹介するN産業株式会社のN社長と御兄弟になります。
お兄さんのN社長が、企業が環境貢献を含めた事業展開を目指すことがもっとも重要なことであると考えて、コンバージョン事業や高性能断熱樹脂サッシの輸入及び製造販売、さらに湿式外断熱工法の輸入販売をする事業活動を目の当たりに見て、その重要性を認識し、建物の外皮(屋根・外装)工事を専門としているご自分の会社でも、外断熱及び窓、換気、暖房などを責任施工する事業部を立ち上げました。
それが綿半鋼機株式会社の「エコ・フュ−チャー ・エンジニアリング(EFE)」事業部です。
社内の精鋭を集めて、企業の新しい柱として構築しようとしています。
これまでの外断熱工法メーカーは、外断熱工法(外壁)だけの供給が中心であったため、実は壁と同じく重要な窓の性能にはあまり注目せず、換気や冷暖房についてもバラバラという状態でした。
しかし、一つの企業がトータルに高性能な外断熱建築と関連資材の供給に取り組み、その施工まで責任を持って行うということになり、これはとても理想的なことです。
大手メーカーにおいても、同様な取り組みが行われ、外断熱の裾野が広がることが望まれます。
高度成長期のピ−クとなる一九七0年代から一九八0年代にかけて、日本では急激な勢いで多数のマンションが建ちました。
そのほとんどが、これから寿命を迎えようとしています。
ビル解体で発生する産業廃棄物は現在でさえ日本中にあふれかえっており、すでに捨てる場所さえなくなりつつあります。
軒並み劣化していく在来の内断熱マンションがすべて壊されれば、日本の都市は瓦礁の山と化してしまうでしょう。
一方で、温室効果による地球温暖化はいよいよ現代人の生活に直接的な悪影響を及ぼしはじめており、二酸化炭素削減のための省エネルギー政策は国をあげて取り組むべき重大な課題となっています。
とくに住宅の断熱性能は各国で重要視され、高断熱化が実施されているところです。
このような状況で、大きなマイナスをプラスに転換する方法として有効なのが、古い建物の外断熱改修とコンバージョン(建物を改修したうえで用途を転換させること)です。
地震も火事も少ないヨーロッパでは、一00年も前に建てられた建造物もめずらしくありません。
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